コントラスト
〜 不真面目な天使〜
どのくらい経ったのだろうか・・。目覚めると両手は後ろ手に縛られ、柱のような場所に固定されている。頭に激痛が走るが、それは首を振ることによって紛らわした。何よりもカイルのことが気にかかり、周りを見回すがその姿はない。どじったなぁ・・。などと呟いてみるが、その声は何かに消されるように響きはしなかった。誰かがいる気配もなく、目隠しや猿轡をされていないだけ周りの状況を把握しやすい。柱のようなものに縛られているものを擦り付け、脱出を図った。・・・頑丈な紐だ。
『ボスの伝言頼んで、用心棒は俺たちのことを見張るか?』
(英語だ。きっと・・・。)
唐突な話し声・・。勿論、意味はわからないけどね。
『見張ってなどいない。』
『じゃあ、何で隠れてた。・・・。こいよ。』
意味の分からない会話の後、カイルは後ろに大男を連れて俺の前に現れた。なんか・・。アメリカの映画見てるみたいだ。ごいつ筋肉の男と、綺麗どころと・・・人質の俺。ここで、俺がいいところを見せる・・。と、映画ではそうなんだけど。上手く行くことは・・ないんだろう・・か。
『ここでこいつを殺しても、文句はないな?』
『・・。殺す必要はないだろう?私の部下だ。』
大男は、カイルのことをじろじろと眺め、突然カイルの体を麻布の山に押し付けた。
『お前・・。いいよな。』
『何がだ・・?』
『おとなしくしてれば気持ちよくさせてやる。』
大男は何かニヤつきながら言うと、カイルの着ている俺の服を引き千切った。その勢いに倒れ込むカイル。大男は倒れ込むカイルに跨ると、あっという間にカイルの服を剥ぎ取りその肌に舌を這わせていく。カイルも必死に抵抗するが、大人と子供ほどもある体格のせいか無駄な足掻きだ。俺の手を縛る紐は間だ切れない。このまま犯されていくカイルをただ眺めていろというのか???カイルからは、名を呼ぶなといわれているが・・。畜生!!
『退け!!』
『楽しんだらいい。俺は上手いぞ?』
やたら楽しそうな大男。カイルの細い腕を片手で押さえ込むと、暴れる足を簡単に開かせ・・。ズボンを引き千切るようにして下着後と脱がせると、露になったカイルのものを手でなじり始めた。カイルの両手を引き上げ立ちあがらせると、そのままカイルは宙に浮き・・。モノをなじられたまま、弄ばれるかのように全身に舌を這わされていく。苦痛に歪んだカイルの顔・・。暴れる力も残ってないように、遊ばれつづけた。大人しくなったカイルの腹に拳を入れ、わざと暴れさせ、逃げ惑うように動くその足を無理やり開かせて下腹部のモノを口に含み、その指がカイルの中を刺激し始め・・・。
「もう・・やめろ・・・!!」
そんな俺の声もあの大男にとっては快楽の一つのように、奴は無気味に笑った。カイルの体が跳ねる。大男は満足げに、舌先で唇を拭うと、自分のものを取り出してカイルを四つん這いにし・・。俺の見ている目の前で奴はカイルの中に無理やり入り込んだ。カイルの悲痛な叫び声が響き渡る。それでも、紐は切れず・・。大男の事が済んだ後、ぐったりしているカイルの元に違う男が現れ・・。動けないカイルを犯した。今度は二人掛りでカイルの細い体を弄り・・。事が済んだ後、後からきた男は身支度を整えなおし、上着から一丁の拳銃を取り出し、カイルに向けた。何の躊躇もなく、それは発砲され・・。俺は体が震えた。それはまさしく、恐怖であり・・怒りであり、自分自身の不甲斐なさであり・・。弾は、カイルの左わき腹にあたったらしく、そこから血が溢れているのが見える。笑い合う男達。何か呟き、カイルに近づくと弾のあたったわき腹を踏みつけた。カイルからもれるのはささやかな・・悲鳴・・。もう、自分がどうなってもいい。そんな感情に囚われた時。紐は千切れた。日本では有るまじき行為と思われたが、自分の拳銃を出して彼らに向ける。
「やめろ!!」
叫ぶと彼らはゆっくりと振り向き、楽勝とばかりに笑い合う。向こうも銃を持っている。俺は自分の射撃の腕を信じ、小さい男の手にある銃に向け発砲した。銃は軽い音だったが、弾は奴の手に命中。奴の銃はカイルのほうに転がっていった。さて、ここからどうする。大男の力に、俺の力が適う訳がない。だが、人を危めることは・・避けたい。先ほどまであれだけカイルに乱暴をくわえていた男だ。殺しても惜しくはない。しかし・・・っ。いろいろなことが頭の中を交錯し、男達は俺が何もしないのを見て笑った。だが、その直後に銃声が響き・・・・。小さいほうの男が床に倒れ、大男は咄嗟に振り向いたがその眉間を銃弾が貫き・・・・。大男は麻布を掴んだが、その荷物が崩れ落ちてその下敷きになった。麻布からは真白い粉が滝のように降り注ぐ・・・。俺はすぐ、自分の銃を収めるとカイルの元に駆け寄った。銃の引き金を引いたのはカイルだ。わき腹からはおびただしい量の血が溢れ、床を染め上げていく。
俺は自分のシャツを引き裂いて、止血にとカイルの腹に押し付けたが、カイルはか細い力でそれを拒み、体を引く。
「大丈夫・・。俺がすべて忘れさせてやるから・・だから、だから・・。」
強引にカイルの体を抱き寄せ、ぎゅっと力を込めた。カイルの体から力が抜けていくのが分かる。
「カイル・・!!しっかりしろ・・!!」
「・・うしろ・・。」
「え?」
力の抜けていくカイルを抱きしめたまま、振り向くと男が一人俺に銃を向けたまま立っていた。そういえば、・・まだ、居た・・。
「カイル。か。見たことのある顔だと思ったが・・。」
流暢な日本語を語る男。俺はそれに気をとられていたが、カイルは残る力で俺の銃を抜き取ると、その男に向かって銃口を向けた。
「カイル・・。もう、やめろ。」
「・・押さえてろ・・。」
カイルの鋭い眼差しが、俺は・・・。カイルの体を支えることになった。ぎゅっとカイルを抱きしめると同時に、二つの銃声が響き渡る。一つはカイルのもので・・。見事、男の眉間を捉え、もう一つはタイミングが後れた男のもの。カイルの意識はもう・・限界だ。このまま動かしていいものか迷ったが、ここに置き去りにすることもできない。引き千切った俺のシャツを脱ぎ、カイルの体に巻くと、ゆっくりと彼を抱き上げた。カイルの口から・・血が零れていく・・。シャツは見る間に血に染まっていく。早く病院に・・。と、駆け出した矢先に人にぶつかった。といっても、麻布から飛び出してきた男が、俺の背中にあたった。おどおどと怯える、下っ端らしく見える男だ。奴は口をパクパクさせている。
『・・知らせろ。すぐに、会いに行く・・。待っていろ・・と・・・。』
ゆっくりとカイルの口から言葉が漏れ、男は腰を抜かしてはいたが、首を縦に何回も振った。俺はその男を置き去りに建物を抜け、車の助手席のシートを倒してそこにカイルを寝かせる。車の中に放置してある上着をカイルにかけ、運転席に飛び乗った。
「すぐ、病院に着くからな。」
「・・だ・・。」
「カイル、すぐだ。」
「・・いやだ・・。」
「カイル!!こんな時に冗談言ってるばあいかよ!!」
「だ・・だ・・。頼む・・。たくと・・。」
始めて聞いた、カイルからの俺の名前。カイルの、息がか細くなっていく。俺はハンドルを叩き、ここから一番近い場所を探した。そう、立花の家が近い。あいつが居る、病院がある。違法だと知りつつも、緊急事態のためハンドルを握りながら携帯電話をかけた。すぐに、立花が出る。俺は、支離滅裂ながら、言葉を叫びながら車を飛ばし・・・・。病院の裏口に車を止めると、そこに待機していた立花が車にかけより、カイルにマスクをかけた。
「笹川!これを押さえながら抱いてこい。」
「あ、ああ。」
車のシートからカイルの体を持ち上げると、被せてあったシャツから血が滴り落ちた。だらりと伸びる腕・・。シートには、わき腹から溢れたものではない血も付着していた。
「笹川、早くしろ!」
「カイル。動かすぞ。」
カイルは目を閉じたまま、動かない。抱き上げても痛みすら表さない。立花に言われるままに、カイルを病院に運び込み、カイルの手術は死因鑑定を行う部屋で執り行われた。手術事態は長引かなかったが、カイルの体力のほうが問題らしい。立花の専用個室で眠ったように見えるカイル。出欠量が・・多すぎた。立花はそう呟きながら、病院の廊下側の扉に背を向けて腕を組んだ。
1時間。2時間。・・・。目覚めることがない。その間、立花は俺の頭の処置をしてくれたが、俺はそんなことどうでもいいとカイルの傍を動かなかった。いや、動けなかった。俺の目の前でカイルは・・・。助けられなかった。悔しさが募る。
「笹川。後は俺が見てるから。お前は眠れよ。」
「・・いや・・。まだいい・・。」
「どんなことをしたって、体力が戻らなければ目覚めない。」
「だからといって・・・・。」
こんなときは発作は起こらないのか?あれだけ苦しむようなことはないのか・・?どんな言葉も喉からは発せられなかった。
・・・。何時間。過ぎただろう。分厚いカーテンにしきられ、日の加減も分からない。時計を見ている暇があれば、カイルを見て居たい。水すらも喉を通らず、カイルの静かな胸の動きを見るだけだった。何回か、立花はカイルの点滴を代えにやってきた。その度に手首の脈を診て、俺に眠るようすすめていく。
俺の意識がだんだんと睡魔によって途切れ途切れになってきたころ。カイルの指が動いた。見間違いかと頭を振り、目を凝らす。しばらく待つと、ピクと小枝のような指が動き・・。カイルの目が開いた・・。腹に痛みが走るのか、顔を歪ませる。
「・・カイル・・。・・よ・・よかった・・。」
手を掴むと、微かな力で握り返してくる。カイルは喋りたそうに口を動かすが、俺は首を振った。
「大丈夫。安心して・・さ。もう少し眠りなよ。」
そのまま、ゆっくりと瞼を閉じていくカイル。それを眺めつつ、俺も・・床に転がった。
笹川匠斗 ささがわたくと
33さい 182センチ
カイル・ハウザー
27さい 176センチ
立花
医者。詳細なし。
・・・いい人かも。
〜注意〜
カッコ 『 』 は、英文だと思うように。
読めるが、読めない振りをしよう!!
高校のとき。いや、中学から。英語を捨て去っていたためにこうなる・・。
今思うと、必要だけどねぇ。
日本語もろくにできないので、まあ・・いいか。←何が?と突っ込みは遠慮。