マリオネットシューター。簡単に言えば、機械仕掛けの操り人形。クローンとは違い、生身の身体を用いて作る人形だ。だから、個体差が激しく能力格差が発生する。まあ、洗脳するより機械でコントロールした方が手っ取り早い、と考えた奴らが作る玩具だ。
 今、その玩具の一人が眉間にしわを寄せた状態で俯いている。胸に一つ、風穴を着飾って。その後ろに控える人形が作りし人形の女たち。彼女らを止めるのは容易いが、彼女らに意識を注いでいたものが途切れると・・ピンチになるかな??あの痩せた体の奥。その力は・・未知数。痩せているから、スピードがあるといえばそうなるが、機械で何処まで鍛え上げているか・・。後ろにはフラネルロが居る。リミッターの無い化け物と戦うには不利だな・・。
「よう。兄さん。来ないなら、こちらから行かせて貰うけど??」
「私の作品を汚したお前は・・許せない。」
あらら。チンプンカンプンな答えだな。低能な知能指数。あいつら、そんなもの作ってどうするつもりだったんだ??ま、所詮・・手作りマリオネット。俺も含めて、玩具は子供が遊ぶものだぜ。
 女たちがぎこちなく動き出し、わらわらと寄り集まってきた。フラネルロはベッドの上で銃を構えている。男はただ、沈黙を続け指から出したものをくるくると回し始めた。多分、集合の合図でも送っているのだろう。俺は買ったばかりのナイフを手にし、靴の踵からそれぞれにナイフをせり出した。どこか、あいつの体のどこかにナイフの先が当たれば、奴は停止するはず。
「ねぇ、ちょっとぉ・・。危ないんじゃない?」
「んー?なにが?」
「何って・・。どうなってるの?」
「さぁってね。俺にも理解不能なんだわ。それよりさ、あいつの弱点わかるか?」
「・・そんなの解るわけ・・。」
女たちが個々に寄り集まり、その指先から鋭利なものを突き出し始める。ただ、その痛みに悶え苦しみうめきながら涙を流す。痛みの中枢ぐらい外してやればよかったのに。残酷〜。
「女性たちを動かしているのはあの変な指みたいだけど・・・。あいつの弱点・・。」
「んん?」
「指先・・。」
「ゆび?」
「うん。・・だって、他はあんなに無防備なのに、どういう訳かあんなに武器を持って囲んでる。守りたいが為の武器よね??」
「か。も。ね。」
とにかく、女たちが体制を整えて襲ってくる前に、と一本ナイフを投げ、奴の指先のナイフに当てようとしたがすんなりとかわされ、その代わりに一斉に女たちが押し寄せ、俺はベッドに飛び乗ってフラネルロを抱き上げ、反対側に降り立った。彼女らの行動は何故か一方通行。猪突猛進というか、段差のある場所には上がれないし下がることも出来ない様子。ベッドを回り込んでくるということも出来ない。
「なんだありゃ。」
「どうでもいいから下ろしなさいよっっ。」
暴れるフラネルロを下ろしつつ、俺は右こめかみを突いた。人には理解できない電波のようなものを出し、低能な人形の機能を停止にする。合言葉を言わなければ動きが鈍るだけだが、それを操る本人さんにも少なからず影響が出るので嬉しい限りだ。
「愛しい恋人よ。その長く耐え得る永久の眠りを与え・・。」
フリーパスコードを言い終わる前に、防弾ガラスが一つの銃弾を貫いた。ソレが引き金となり豪雨のように降り注ぐ銃弾。それは何故か俺たちを避けるようにして降り注ぎ、男の姿を粉々のミンチのような肉片に変えたあたりで降り止んだ。女たちも同様。見る影もない。
「な・・な・なな・・なんなのよっ・・・?どうなってるの??」
「さあ。でも、お仕事は終わりだろ?」
ヘリの音もなければ、銃声の一つもない。サイレンサー付きの自動操縦なんてあるのか?
俺はまた、こめかみのスイッチを押して電波を切った。流しっぱなしにしているとオーバーヒートする。ナイフを回収するついでに、奴の体の中にある五ミリ四方程のチップを回収した。見たことのないタイプのマイクロチップ。全く、増産し過ぎだぜよ。
「ねえ、ちょっと。それ何?」
「何でもなーい。」
チップをピンっと指ではじき上げ、下で口を開けそれをごくりと飲み込んだ。
「美味しいの?」
「味は特に・・。まあ、栄養剤ってとこでしょうかね。用は済んだし、かえろーかえろー。」
「ねぇちょっと・・待ってよっ!!何なのよいったいーー!!」
フラネルロを残し、階段を下りるとそこにルーブルの姿。よう、と手を上げると、ようと手を上げ返された。
「終わったぜ。俺が手を下したんじゃねぇけどさ。」
さっき飲み込んだチップを舌先に出し、奴の手の中にぷっと吐き出した。奴はそれを器用に受け取ると、フラネルロがくる前に姿を消した。全く・・食えねぇ男。
「あ、待っててくれたの?優しいとこあるじゃない。」
「・・偶然、偶然。それよりも、血の滴りそうなステーキでも食っていこうぜ。」
「・・・あんた・・。デリカシーはないのね・・・。」
げんなりする彼女の顔を眺め下ろしつつ・・。普通が一番。そう、実感する俺は溜息と共に首を左右に振った。














こんなところで人物紹介もなんですが・・・。



  ルネ・モール・ロウ
   訳のわからない男。一応、語りでのような主人公のような・・。
   掴みやすいような、掴みにくいような。
   もともと、刑事さんだったらしいですけどね。
   頭から電波を飛ばす。アナタは・・機械ですか・・??

  レディー・フラネルロ・バース
   いい女。ってモノを連想してください。
   ワンレンで、唇が赤い・・・。しなやかな腰つき・・。などなど。
   いわゆる。悪女って者ですか。
   


 ルーブル警視
  主人公の同期だったらしい人物です。
  主人公を頼りにしているんですが・・・。
  警視になるには、ちょっと早すぎですかね・・って年頃。
  ルネさんとは同い年。・・だと思っております。
  ・・彼は謎が多いですからね。
  今回は何故か、黒幕さんみたいだったし。